vol.1「人間力」

どんな職業に就くかは人それぞれだと思うが、学生である皆さんは必ず社会に出て、何らかの職業に就くことになる。そこで私はその選択肢の一つであるプロサッカー選手という「職業」についてふれることする。

 

まずはあるデータを紹介する。
10年前の2005年にJリーグ加入した選手は103名。そのうち、10年後にJ1クラブへ在籍しているのは19%、J2が11%。引退までの平均は6.3年。103人中46人は0~50試合の出場にとどまり、さらに46人の内18人は「0試合」。

 

厳しい世界だ。

普通の会社員では考えらないスピードで、勝敗が決し、弱者が淘汰される世界だ。それでも3割ほどの選手は30歳以上までプロを続けている。
一試合も出られずに淘汰される者と30歳を過ぎてまでプロを続けられる者の違いはどこにあるのだろうか。私は仕事柄30歳を過ぎてまでプロを続けてきた選手のキャリア支援を行っているし、選手を選別するJリーグの強化関係者、指導者とも交流が多い。そういった人々に選手として早期に淘汰される者と残れる者の要因は何であるかを聞く機会がある。

 

結論からいうと、「人間力」が大きな要因であるそうだ。
Jリーグに入る水準の選手には、技術、フィジカルにそれほど大きな差異はないという。それよりも重要な要素は「内面的な力」であるらしい。

しかしながら、「人間力」というあいまいな言葉だけでは理解が進まないので、私の専門領域であるキャリアの理論で説明することを以降の連載で行ってゆきたいと思う。

神田義輝

人材紹介、人材派遣ビジネスに従事。株式会社リクルートエージェントで転職の支援や、日本プロサッカーリーグにて、Jリーグ選手へのキャリア教育、セカンドキャリアのサポートを経験。独立後はJリーグ、オリンピック委員会、リクルートキャリア等でアスリートのキャリア支援事業に従事。現在は株式会社山愛にてアスリートのキャリア支援事業責任者として勤務。